強誘電体結晶の非線形光学効果は超高速現象であり、擬似位相整合導波路技術の適用により多くの超高速光信号処理デバイスの実現が期待できる。将来のOTDM光通信システムへの応用可能性を探求するための基礎研究を行っている。デバイス構成の考案、理論設計、超短光パルス非線形相互作用の理論シミュレーション、デバイス作製と評価を行ってきた。
 LiNbO3導波路QPM和周波発生(SFG)デバイスを光乗算器として用いた光サンプリングの実験では、10 psのサンプリングパルスにより従来のバルク非線形光学結晶を用いたサンプリングより約3桁高い効率のサンプリング動作を実証した。
 超高速光スイッチの例として、制御光から発生した第2高調波と信号光の間の差周波発生を利用したカスケードSHG-DFG波長変換型光スイッチを作製して10 ps制御パルスによるスイッチング動作を確認した。また最近、QPM-SFG部を持つ干渉計構造の光スイッチを提案・作製し、基本的なスイッチング動作を確認した。これらのデバイスの波長域拡大・効率改善やサブピコ秒動作の実現をめざして検討を続けている。
SFGデバイスによる光サンプリングの実験系

カスケードSHG-DFG型光ゲートスイッチ

SFG干渉計型光ゲートスイッチ